月別アーカイブ: 2009年1月

いちばん苦いチョコレート

いちばん苦いチョコレート

 この世でいちばん苦いチョコレート。
 突き返されたチョコレートが、この世でいちばん苦いのです。

 泣きながら口にするそれは、とても苦くて、そしてほんの少しだけ甘いのです。

 終わった恋を飲み込むときが、いちばん苦くて、苦しいのです。

坂本真綾Live Tour 2009 “かぜよみ” in Tokyo

かぜよみの民

 未来の私に祈ってあげたい
 きっとしあわせになれるように

 坂本真綾ライブツアー2009 東京公演に行ってきた。
 今回は久しぶりの大規模ライブということもあって、ボリュームたくさんの内容でした。以下、歌われた曲目のリスト。

  • Get no satisfaction!
  • トライアングラー
  • ループ
  • 風待ちジェット
  • 雨が降る
  • Remedy
  • 奇跡の海
  • 風が吹く日
  • プラリネ
  • Lucy
  • 走る
  • 約束はいらない
  • 指輪
  • 僕たちが恋をする理由
  • 光あれ
  • マメシバ
  • さいごの果実
  • カザミドリ
  • ユニバース
  • プラチナ
  • tune the rainbow
  • NO FEAR/あいすること ピアノ弾き語り
  • ポケットを空にして
  • カザミドリ ピアノ弾き語り

 本当に坂本真綾という人はすごい。彼女の歌声が素晴らしいのはもちろんのだけれど、最近は、みるみるうちにその実力が発揮されていく作詞の力に参ってしまう。特に今回は、今までわたし個人からは見えなかった、歌手としての坂本真綾に隠されている本当の彼女の姿が、ほんの少しばかり垣間見えたような気がして、ぞっとした。音楽とは、歌とは、詩とはここまで恐ろしく力強いものなのかと、今更ながら思い知らされた。
 坂本真綾がデビューして何年も経っているのに、彼女が映像媒体にあまり出てこないのは、彼女自身が、「自分自身を見られることを嫌っているから」というのは、ファンなら聞いたことがある話だ。動いている彼女の映像というのは本当に貴重で、昔はPVも積極的に作ろうとしていなかったように思える。そこにどんな理由があるのかは、もちろんなにもわからない。単に、人と接するのが実はものすごく苦手なのかもしれないし、理想の自分というものを護りたいために、本当の自分を曝せないのかもしれない。幼い頃から劇団に所属しながらも、ほとんどが声優の仕事や、歌の仕事という、『声』だけしか武器として用いないその理由は、なんにもわからない。どれもこれも、その精神的な理由は推測でしかできない。けれど、『光あれ』を歌う前に、彼女は言っていた。自分自身を見せることが怖いって。けれど、その気持ちは、ライブを通して徐々に変化していったと。
 詳しいことが語られたわけじゃない。けれど、彼女がそう言って、あの日の自分に歌いたいと言って叫んだ『光あれ』の歌詞が、なんだかすぅーっと頭の中に染みこんでいくようで、何度も何度も聞いていたはずのその歌詞の意味が、なんだかようやく理解できて、昇華されたような気がした。おそらく、坂本真綾自身にも、そんな変化があったんだろう。『少年アリス』で『光あれ』を収録したときの自分と、最近の自分は、ずいぶん変化したのだということに、気づいたのだろう。だから、『Get no satisfaction!』『Remedy』『カザミドリ』の歌詞は、あんなにも美しく、力強いのだ。昔の坂本真綾にあった『どこかボーイッシュだけれど、女性らしい儚さ』といったわたしの中の認識がみごとに砕けて消えて、『女性らしいしたたかさ』を全面に感じられるようになった。
 なんだろう。もちろん、ただの感想に過ぎないんだけれど、『光あれ』『マメシバ』『さいごの果実』を続けて聴いて、坂本真綾という儚い少女が大人になっていったそんな物語を見せられたような気がして、思わず涙腺が緩んでしまった。音楽を通して、歌手であるはずの坂本真綾という、遠い世界の人物が、どこか身近にいるような、誰にでもある悩みを抱えた一人の女性として思えた。
 ああ、凄い。強いよ、あんたの歌は。

 ひとりぼっちは嫌なのに ひとりで行かなきゃ意味がなくて
 寂しさに足が止まっても まだ帰れないの

 個人的に、『カザミドリ』『Remedy』『光あれ』の歌詞がものすごく大好きです。

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想像を創造するよ

想像を創造するよ

 想像を、創造するよ。

 ねぇ、なにを考えているの?
 わたしの中には、あなたがいっぱい。
 わたしの中には、物語がたくさん。

 わたしの読みたい理想の物語が、ノートにたくさん詰まってる。

 けれど、どうしてだろう。理想は目の前にあるのに、そこにたどり着くまでの道が書かれてないの。
 物語の結末はもう決まっているわ。もちろん、ハッピー・エンドよ。
 それなのに、そこへ至るまでの道が書かれてないの。

 それは、まるで人生みたいに。

 わたしの中にある想像を、創造するわ。
 積み木のブロックをひとつひとつ手に取るようにして、理想とする高い塔を作り上げていくの。
 完成図は、頭の中にあるけれど、どんなふうにブロックを重ねればいいのか、わからない。一つ間違えたら、すぐに全部崩れちゃう。

 それは、まるで人生みたいね。

沈黙の魔法

沈黙の魔法

「ねぇ、知っている?
 エレベーターには、不思議な魔法がかかっているのよ」

 乗り込めば、誰もがみんな黙り込んでしまう。不思議な空間。

 黙ったまま、みんなが前を見詰めて、昇っていく。

「言葉を封じる不思議な箱は、わたしにとっては心地よいところ。
 あなたにとっては、どう?」

壊したくて、壊れたくて

壊したいのに、壊れたいのに

 子供の頃は、色々なもの作っては、すぐにそれを壊した。
 自分で作ったものを片っ端から、どんどん壊していく。その心地よさったら、どこから来るのだろう。

 積み木や砂山はもちろん、折り紙で作った動物や、組み立てたプラスチックの小さなプラモデル。

 どんどん作って、どんどん壊した。

 大人になったら、どうしてだろう。自分で作ったものを壊すことは、ほとんどなくなってしまった。

 子供のとき、あんなに壊したい壊したい、と無邪気に暴れていた感情は、大人になった今は、壊れたい、壊れたいと、内側へ向いている。
 たぶん、作ったものを壊せなくなってしまったのは、もう同じものは作れないだろうという予測が働いてしまうから。それ以上のものを作れないだろうという自覚が芽生えてしまうから。

 子供のころは、無邪気に壊せた。

「だって壊しても、また作ればいいでしょう?」

 ああ、壊したい。壊れたい。
 そしてまた、作りたい。

これがわたし!

だって、わたしは黒猫じゃないもの。

 これがわたし!
 胸を張って、大きな声で、大空へ強く叫びたい。

 これがわたし!
 この声音も、肌の色も、瞳の色も、どう足掻いたって変えることなんてできない。
 だからせめて、胸を張って大きな声で、大空へ強く叫びたい。

 これがわたしよ!

 だって、しょうがないじゃない。わたしはこんな性格で、わたしの容姿はこんなもので。
 それでも、空高く声を上げ続けていれば、誰かに届く。きっと届く。

 これがわたし!

かぜよみ/坂本真綾

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 久しぶりになる坂本真綾さんのアルバムがもうすぐ登場します。
 シングルリリースされた『雨が降る』や『さいごの果実』なども含まれていますが、このアルバムのためにレコーディングされた楽曲もかなり多く、本当に期待いっぱいです。マクロスFで作詞された『蒼のエーテル』のセルフカバーバージョンなど、聴きどころいっぱい。
 特設サイトでいろいろ視聴できます。
 是非是非、要チェックです。

 わたしはというと、買い物に行く余裕がないので、amazonで予約してしまいました。安くなっていましたし。ただ、発売日に届かないのがなぁ……。

どうして?

どうして?

 三歳になる甥に誕生日プレゼントを上げた。

 フォークリフトのおもちゃ。

 彼は無心になってリフトを動かしている。
「フォークリフトっていうのよ」
 彼の写真を撮りながら、母が説明する。
「これ?」
「そう」
「名前?」
「そうよ」
「どうして?」
「どうしてって、名前なんだもの」

 子供って、無限の可能性を持っている。この疑問も、その内の一つ。大人になる内に自然と消えてしまう、広大な世界への探求心、好奇心。
 フォークは食器のフォーク、あるいはかき上げるという他動詞で、リフトは上昇するという意味を持っている。
 どうして? と疑問に持てば、世界はそれに答えてくれる。大人になったら、誰もがみんな、忘れてしまうことなんだけれども。この言葉は、常に心の内に抱いておきたい。

 どうして?

道しるべ

道しるべ

 このまままっすぐ進めばいいよ。
 そんなわかりやすい道があればいいのに。
 悩むことも、苦しむこともなく、ただ無心で歩き続けることができれば、どんなに楽なんだろう。

 けれどきっと、
 天邪鬼なわたしは、まっすぐには進まない。